
ベタは約1000年ほど前から品種改良が行われてきた歴史の長い観賞魚で、「闘魚」の別名でも知られています。長く鮮やかなヒレと強い気性を持つ、スズキ目の小型淡水魚です。程よい体長や小型水槽で飼育できることから、アクアリウム初心者の方にも人気があります。世界中で愛され、日本でも品評会が開催されています。
ラビリンス器官という呼吸器官があり、エラ呼吸だけでなく空気中からも酸素を得られるため、エアレーションなどはなくても飼育可能です。
水面で呼吸するため水槽に蓋を設置(飛び出し防止)。勢い余って容器の外に飛び出すことが多い魚です。
オスは美しいヒレを持つが、メスは地味な体色。ダブルテールのメスは尾ヒレが綺麗に分かれているため、ハートマークのようにも見えて可愛らしく人気があります。
繁殖期にオスが泡巣を作る興味深い行動が観察できます。オスが口から出した泡で泡巣を作り、産卵後はオスが何も食べずに泡巣を守り、卵の世話を続けます。
水温は25-28°C(適温26-27°C)で管理し、パネルヒーターか観賞魚用ヒーターを使用します。低水温になるとベタは弱ってしまいます。
小型容器の場合は3日に1度の水換えが必要(水量が少なく水質が悪化しやすい)。ろ過フィルターつきの水槽の場合、豊富な水量とろ過フィルターの効果で水質が安定するから飼いやすくなり、水替えの目安も2週間に1回と長くなります。
品種改良の進化がすごく、近年では『胸ビレが大きなダブルテール』・『大きなサイズのジャンボ』・『鯉みたいな模様のスズキベタ』など品種改良の進化がすすみ、人気がたかくなっています。
トラディショナル・ベタは改良品種の中ではもっともスタンダードで長い歴史を持ち、ベタの中ではもっとも丈夫で飼育しやすいことでも知られています。
小型容器(500ml程度)から飼育可能ですが、初心者には20cmキューブ水槽(6-8L以上)がおすすめ。ショーベタの場合は4-5L程度の大きめの容器が理想。30cm水槽なら7割程度の水位でも10L以上となり余裕をもって飼育できます。
1日1-2回、ベタ専用フードや小粒の餌を少量ずつ。食べ残しがでないように少量を複数回にわけて与えます。選り好みせず何でも食べるため餌付けには苦労しません。食べ残したエサは水を悪化させるのでスポイトなどで必ず取り除きます。
基本的に単独飼育必須。オス同士は激しく争うため絶対に同じ水槽で飼育しない。メス同士も小競り合いをするので激しい場合は別々にします。オスとメスも繁殖以外のときは別々に飼育します。ヒレが小さなアカヒレなどとは混泳可能ですが、ヒレの大きな魚を攻撃する習性があります。
