クラウンローチ
クラウンローチ
クラウンローチ
Chromobotia macracanthus
初心者向けコイ・ドジョウ

クラウンローチはインドネシアのスマトラ島やボルネオ島原産のドジョウ科の熱帯魚です。鮮やかなオレンジ色の体に黒い帯模様が特徴で、その独特な外見から観賞魚として人気があります。名前の「クラウン」は道化師(ピエロ)を意味し、その鮮やかな体色と模様が由来となっています。最も丈夫で強靭な種類の一つで、幅広い水温・水質に適応できるため、パイロットフィッシュとしても優秀です。夜行性で臆病な性格を持ち、隠れ家を好む習性があります。寝るときに横たわる独特の習性があり、この姿勢は一見すると病気や死亡と勘違いされることがありますが、正常な行動です。また、危険を感じた時も水底に横になって動かなくなる「死んだふり」をすることがあります。

飼育のコツ

群泳性なので複数匹での飼育が理想的(60cmクラスの水槽での適正個体数は3~5匹)

高水温(26-30°C)を好む。適温は24~30℃程度で、低温側では白点病のリスクが増大するので、一般的な熱帯魚と同様に25℃前後に保温することをおすすめします。

隠れ家として流木や岩を配置する。個体数に応じて十分な数の隠れ家を用意してあげてください。シェルターを入れると手軽ですが、石組や流木、水草などを組み合わせると、水景と同時に隠れ家を作れます。

成長が遅いが最終的に大型になる。飼育下では通常10~15cmほどで成長はストップしますが、自然環境下では最大で約30cmにも達する大型の個体も確認されています。

底砂は角のない形状の物、例えばドジョウ用の田砂などが向いています。底砂に潜ったり掘る性質を持つため、角ばった物だとケガをする恐れがあります。

水草を入れる場合は、植える形式だと引っこ抜かれることが多いので、活着させた物やマツモなどのように浮かべておけば育つ物の方が管理しやすいです。

水質に関しては、弱酸性から中性で管理すれば問題ありません。飼育し続けていると、一般的には酸性側に傾いてくるので注意してください。

臆病ゆえに、驚いた拍子に水面から飛び出すことがあります。水槽にはしっかりとフタをしておき、隙間も塞いでおいてください。

目の下に収納式の丈夫な棘を持ち、身に危険を感じた時などに棘を出すことがあるので、刺されないよう注意が必要です。

寝姿が魅力的!水底で横になったりひっくり返って眠る独特の寝相に癒される。臆病な本種が寝姿を見せる、ということは環境に慣れて安心している証拠なので、静かに見守ってあげましょう。

水槽サイズ

最低でも60cmクラスの水槽が必要(適正個体数3~5匹)。他種との混泳を楽しみたい場合には、さらに大きな水槽を用意した方が安全です。

給餌

1日1-2回、数分で食べ切れるだけの量を与えます。沈下性の餌(ドジョウやコリドラス用の沈下性飼料)、冷凍アカムシ、イトミミズ、ブラインシュリンプなどの生餌も喜んで食べます。何でも食べてくれることもあり飼育しやすいです。食べ残した餌は水槽から取り除いておくと良いです。

混泳

非常に温和で混泳向き、残り餌を食べるお掃除やさん。低層域をテリトリーとするためコリドラスと並んで混泳水槽で重宝します。遊泳層が異なりサイズが同じ位の種類(バタフライフィッシュなど)とは混泳が成立しやすいです。逆に、コリドラスなど遊泳層が重なりサイズ差がある種類には、クラウンローチ側が攻撃を仕掛けて喧嘩になりやすいです。貝類やエビ類は好物なので、基本的には混泳できません。大きくなるにつれて縄張り意識が強くなるので、混泳には注意が必要です。

関連する熱帯魚
同じグループの熱帯魚
基本データ
体長10-15cm(飼育下)、最大30cm(自然環境下)
水温24-30°C(適温26-28°C)
pH6.0-7.5(弱酸性~中性)
酸性中性アルカリ性
寿命10-15年(平均15年、最大30年近く生きた報告もある)
原産地インドネシア(スマトラ島、ボルネオ島)の河川や湖沼
分布地図
地図を読み込み中...