
ペーシュ・カショーロは、アマゾン川とオリノコ川の流域に広く分布する大型の肉食カラシンで、ポルトガル語で「犬の魚」を意味する名で呼ばれています。英名の「パヤーラ」や「バンパイアフィッシュ」でも知られ、下顎から突き出た2本の長大な牙が最大の特徴です。
この牙は長さ数cmにも達し、口を閉じたときは上顎に開いた専用の穴に収まります。全身は金属的な銀色に輝き、鰓蓋の後ろには黒いスポット、尾びれには赤みを帯びた色彩が入り、流線型の体と大きな口が織りなすシルエットは、まさに川の狩人と呼ぶにふさわしい迫力があります。
自然下では流れの速い本流や滝つぼ、合流点などの酸素が豊富な場所を好み、小魚を追って回遊しています。水槽内でも常に泳ぎ回る遊泳性の高い魚で、成長すると50cm前後になるため、広い水槽と高い水質管理能力が求められる上級者向けの種類です。
最も懸念が少ない
Least Concern(LC)
絶滅のおそれが低い状態
幼魚のうちは120cm水槽でも飼育できますが、遊泳性が非常に高く、成長も早いため、最終的には150cm×60cm以上、できれば180cm以上の水槽が必要になります。泳ぎ回るスペースを優先し、レイアウトはシンプルに、水槽中央は広く開けておきましょう。 流れの速い環境に適応した魚なので、溶存酸素量の高さが重要です。強力なフィルターに加えてエアレーションや水流ポンプを設置し、水中に十分な流れと酸素を作ってください。水温が高くなると酸欠を起こしやすいため、夏場のクーラーは必須といえます。 驚くと猛スピードで突進し、水槽の壁面に激突して吻先や牙を折ることがあります。アクリル水槽の使用や、水槽の側面を暗くする工夫でリスクを減らせます。ジャンプ力も強いので、隙間のない重い蓋を必ず用意しましょう。
生きた小魚を主食とする典型的なフィッシュイーターです。導入直後はメダカや小赤などの生き餌でないと食べないことが多いですが、病気の持ち込みや栄養の偏りを避けるため、徐々に冷凍のワカサギやキビナゴ、切り身へ慣らしていきましょう。 動くものに反応して捕食するため、冷凍餌は水流に乗せて流したり、ピンセットで小刻みに揺らしたりすると食いつきやすくなります。人工飼料に完全に切り替えるのは難しい個体も多いので、冷凍魚をベースにビタミン剤を添加して栄養バランスを整えるのが現実的です。 給餌は幼魚で1日1回、成魚は2〜3日に1回を目安に、食べ残しはすぐに取り除いてください。代謝が高く水を汚しやすいので、給餌量と水換えのバランスを意識した管理が長期飼育の鍵になります。
口に入るサイズの魚はすべて捕食対象になるため、混泳できるのは自分と同等以上のサイズの魚に限られます。ただし、鋭い牙で他魚を傷つける事故も起こるので、混泳は慎重に判断してください。 大型のプレコやポリプテルス、大型ナマズなど、体格差が小さく、底層で生活する魚とは成功例が多いです。同じような遊泳層を泳ぐ大型カラシンやシクリッドとは、餌の取り合いや接触事故が起こりやすい傾向があります。 同種同士は複数飼育できることもありますが、餌の際の接触で牙による負傷が発生しやすいため、群れで飼うには非常に広い水槽が必要です。1匹を主役に据え、底層魚を組み合わせるスタイルが最も安定しています。
牙が非常に長く鋭いため、網で掬うと絡まって折れたり、飼育者が怪我をすることがあります。移動時は袋やタッパーを使って水ごと掬いましょう。
酸欠に弱い魚です。停電や夏場の高水温に備え、エアポンプの予備電源やクーラーを準備しておくと安心です。
水槽への激突を防ぐため、照明の急なオンオフや水槽前での大きな動きは避け、夜間は薄暗い照明を残しておくと落ち着きます。
生き餌からの病気持ち込みが多いので、生き餌はトリートメントしてから与えるか、早めに冷凍餌へ切り替えることをおすすめします。