
ショートノーズクラウンテトラは、アフリカのコンゴ川水系とタンガニーカ湖に分布するディスティコドゥス属の大型カラシンです。オレンジがかった金色の体に6本の太い黒バンドが入り、全ての鰭が鮮やかな赤に染まる姿は「クラウン(王冠)」の名にふさわしい華やかさで、幼魚の美しさはアフリカ産淡水魚の中でも屈指と言われます。
種小名の sexfasciatus はラテン語で「6本の帯」を意味し、名前の通り体側を横切る6本のバンドが最大の特徴です。近縁の「ロングノーズクラウンテトラ(Distichodus lusosso)」が吻の尖った横顔なのに対し、本種は吻が短く丸みを帯びた顔つきをしていることから「ショートノーズ」と呼び分けられています。
幼魚期は体色が非常に鮮やかですが、成長とともにバンドはぼやけ、体色はくすんだ灰褐色〜オリーブ色へ変化していきます。自然下では60cmを超える大型魚で、飼育下でも40cm前後まで成長するため、幼魚の可愛らしさだけで迎え入れると後々苦労する種です。長期飼育には大型水槽と計画的な準備が欠かせません。
最も懸念が少ない
Least Concern(LC)
絶滅のおそれが低い状態
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自然下では60cm以上、飼育下でも35〜45cmほどに成長する大型魚です。幼魚のうちは60〜90cm水槽で飼育できますが、成長が早いため最終的には120cm×60cm以上、できれば150cm水槽を用意してください。遊泳力が高く活発に泳ぎ回るため、奥行きと長さに余裕のある水槽が理想です。 体が大きく排泄量も多いので、オーバーフローや大型の外部フィルターなど、水量に見合った強力な濾過を導入しましょう。週1回・1/3〜1/2の水換えを基本に、硝酸塩の蓄積を抑えると体色の鮮やかさを長く保てます。水温は22〜28℃、pHは6.0〜7.5の弱酸性〜中性を目安にしてください。 驚くと水槽内を猛スピードで突進し、飛び出すこともあるため、フタは必須です。レイアウトは流木や岩を中心にし、水草は本種が食べてしまうため、人工水草か硬い葉のアヌビアス程度にとどめるのが無難です。
雑食性で植物質を好む傾向が強く、自然下では水草や藻類、落ちた果実、水生昆虫、小型甲殻類などを食べています。飼育下では植物質を多く含む沈下性ペレットやスピルリナ入りフレークを主食にし、ほうれん草や小松菜、ズッキーニ、きゅうりなどの野菜を茹でて与えると喜んで食べます。 動物質としては冷凍アカムシや冷凍エビ、クリルなどを週に数回与えるとバランスが整います。クリルに含まれるカロチノイドは鰭の赤色を引き立てる効果があります。 食欲は非常に旺盛で、与えれば与えるだけ食べてしまうため、幼魚は1日2回、成魚は1日1回を目安に、数分で食べきれる量を与えてください。植物質が不足すると水草をかじったり、他魚の鰭を狙う傾向が強まるので、野菜類は欠かさないようにしましょう。
幼魚のうちは群れで泳ぐ穏やかな姿を見せますが、成長とともに同種間の縄張り意識が強くなり、激しい小競り合いを繰り返すようになります。特に同種・近縁種(ロングノーズクラウンテトラなど)との混泳は、大型水槽で6匹以上の群れにできない限り避けたほうが無難です。 他種に対しては、同程度のサイズでヒレの長くない魚であれば比較的うまくいきます。大型のシノドンティス、ポリプテルス、大型プレコ、コンゴ産の大型カラシン(ディスティコドゥス以外)などが候補になります。一方で、エンゼルフィッシュやグラミーのような長い鰭を持つ魚は、鰭をかじられる危険があるため混泳に向きません。 小型魚は口に入れば食べられてしまう可能性があるので、混泳相手は本種の口に入らないサイズを選んでください。最終的には120cm以上の水槽で、本種1匹を主役にした混泳が最も安定します。
幼魚の鮮やかな体色は成長とともに褪せ、灰褐色に変化します。「大きくなっても飼い続けられるか」を購入前によく検討してください。
植物質中心の餌が体調維持の鍵です。茹でた野菜やスピルリナ入りフードを欠かさず与えると、鰭の赤色と活発さが保たれます。
驚くと猛スピードで突進して飛び出すため、隙間のないフタが必須です。水槽の端に硬いものを置かず、照明の急な点灯も避けましょう。
水草は食べられると割り切り、流木や岩を中心にしたレイアウトにしましょう。アヌビアスなど硬い葉の種類なら比較的残ります。