スポッテッドガー
スポッテッドガー
スポッテッドガー
Lepisosteus oculatus
上級者向け古代魚

スポッテッドガーは北米東部に生息する淡水魚で、シーラカンスなどと同じように古代から姿を変えていない「古代魚」の仲間です。鶴のくちばしのような細長い吻が特徴で、表皮に黒い斑点が点在します。鱗はガイノン層というエナメル質に被われて鎧のように硬くて丈夫です。丈夫で人にも良く慣れ、飼育は簡単ですが、あっというまに成長します。ガー科のすべてが2018年4月から特定外来生物に認定されたため、飼育には環境省への申請が必要となり、新たに飼うことはできなくなりました。

飼育のコツ

水草が繁茂したような止水を好みます。ブルーギルなどの小魚やザリガニなどの甲殻類、昆虫、両生類などを捕食します。現地では釣りの対象魚でもあります。表層付近を好み、基本的には夜行性です。

適切に飼えば1年で40センチに達します。2年で成魚となります。水槽で飼うと60センチほどで成長が止まります。自然界では成魚はおよそ80センチになり、大きいものでは1メートルを超え、4キロ以上の重さとなります。

人に良く懐き、丈夫ですが歯が鋭く、ジャンプ力が強いので、飛び出て飛んでくると大けがを負わせられることもあります。

低温にも強く、氷が張った池でも水底でじっと耐え、生き続けます。室内の水槽で飼育するなら加温は必要ないことも多いです。

水質には神経質になる必要はありませんが、よく餌を食べるのですぐに水が汚れてしまいます。スポッテッドガーは丈夫とはいえ調子を崩してしまいますので、水替えを頻繁に行った方が良いでしょう。

理想的なのはオーバーフロー式の濾過ですが、外部式と上部式の濾過を併用する方法もあります。ただいくら濾過性能が高くても、水中から硝酸塩を除去するわけではないので、定期的な水替えが必要となります。

フンや残り餌を取り除きやすいので、何も入れないベアタンクで飼育する方法がとても優れています。ただ、ベアタンクは殺風景です。もしもレイアウトにこだわるなら、アクセントとなる大きな流木を水槽に斜めに、一部が水面に露出するような形で配置するなどが良いかと思います。オオカナダモなどなどちぎれにくい水草を漂わせてみましょう。ただし、レイアウトをするには大型の水槽が必須です。

飛び出す恐れがあるので、水槽には必ず蓋をします。ガラスは割られる恐れがありますので、樹脂製にしましょう。

今現在飼育されている個体の一匹一匹は、それぞれ個人で飼える最後のスポッテッドガーです。愛魚が「国内最後の個人飼育のスポッテッドガー」となるよう、長期飼育にぜひ挑戦してみてください。

水槽サイズ

幼魚は60cm水槽から開始、最終的には120cm水槽以上が必要。ガーは体が硬く、反転や方向転換が得意ではないため、狭い水槽では鼻先をぶつけてけがをしてしまいます。縦幅もきちんと規格に合ったものを購入しましょう(スリムタイプでの飼育は事故の原因)。

給餌

幼魚時代は冷凍赤虫などを与えます。すぐ大きくなり、ヒメダカや小赤なども食べるようになりますので、このタイミングでペレットで餌付けしましょう。20cmを超えるとペレットもどんどん無くなるほど食べます。キビナゴや豆アジなどに切り替えましょう。よく餌を食べるのですぐに水が汚れてしまいます。

混泳

体長の差がありすぎるものは、スポッテッドガーの餌となります。セルフィンプレコなどとは、干渉し合わずに暮らしていけるようです。スポッテッドガーは他の魚に積極的にちょっかいを出したりしないので、ダトニオやアロワナなどとも混泳できますが、これも個体の持つ性質と相性次第です。同じ大きさのガー科ならば混泳できないことはありませんが、水面近くに位置するというガーの習性上、180cm程度の水槽では気に入った場所に位置取れないガーが出てきてしまいます。また餌を与えるときに、同じ餌を食べようとして過って、他の魚にかみ付いてしまうこともあります。なるべく混泳は避けましょう。

基本データ
体長50-80cm(飼育下で60cm程度、自然界で80-100cm)
水温20-28°C(適温25°C前後)
pH6.5-7.5(中性)
酸性中性アルカリ性
寿命オス8年、メス10年(飼育下では20年以上)
原産地北米東部(アメリカ南部、メキシコ湾沿岸、ミシシッピ川流域、五大湖周辺)
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