カイヤン
カイヤン
カイヤン
Pangasianodon hypophthalmus
中級者向けナマズ

カイヤンはタイやラオスなど東南アジアのメコン川流域に生息する大型のナマズです。学名はPangasianodon hypophthalmusで、英名はIridescent shark、Sutchi catfishと呼ばれます。幼魚のうちは黒というよりは銀色に近い縞模様であり、見る角度を変えると青や群青に美しく光ります。成魚になると黒く光沢のある背面と、白地の腹に入る黒い三本縞を特徴とします。タイで大量に養殖されており、日本にもよく入ってくるポピュラーな外国産ナマズです。熱帯魚店などへ行くとまだ5センチ程の幼体が鑑賞目的で300-600円程(ニホンナマズより安い)で売られていますが、最終的には90センチメートル程まで育ちます。

飼育のコツ

水域の中層を悠々と泳ぐ魚であり、目は発達して左右に張りだしています。遊泳性が高いナマズとして知られており、よく泳ぎます。

幼魚のうちは黒というよりは銀色に近い縞模様で、見る角度を変えると青や群青に美しく光ります。成魚になると黒く光沢のある背面と、白地の腹に入る黒い三本縞を特徴とします。

色素が無いアルビノ個体も一緒に売られることが多い。

カイヤンは河が氾濫する季節になると水量が高いうちに上流に移動して産卵し、水がひく頃に下流に戻るという渡りをする。メコン川では5月から7月にかけて上流に移動し、9月から12月にかけて下流に戻ります。

原産地では上流から移動してくる幼魚を捕獲し、生け簀に入れて育てる養殖(蓄養)が行われています。タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムでは食用である他、欧米にも輸出されています。

カイヤンは約1000年ほど前から東南アジアで養殖されてきた歴史の長い魚です。

適切な水質は pH 6.5 - 7.5、硬度 2.0 - 29.0 dGH、水温22 - 26 °C で、メコン川のような水深の十分にある大きな河を好みます。

水質は中性~弱アルカリ性を好みますが、そこまで気にしなくても大丈夫です。

水温に関しては22~27℃くらいを好みます。白点病を防止するために26℃以上をキープするといいでしょう。

水槽サイズ

幼魚は60cm水槽から飼育可能ですが、成魚には120cm水槽以上が必要です。水深の十分にある大きな水槽を好みます。遊泳性が高く活発に泳ぐため、最終的には120cm水槽が必須です。幼魚を購入して、適切な環境で適切な量の餌を与えていれば4年ほどで30cmを超えます。そこから徐々に成長スピードが緩やかになりますが、90cm水槽では30cmを超えると狭く感じることが多くなります。

給餌

雑食性で、金魚の餌から赤虫まで何でも食べます。基本的に動物性の餌を好み、生餌を与える場合は小さい個体であればメダカや小さい金魚、エビなどで、成長するにしたがって大きめの魚、冷凍の川魚などにしていきます。生餌を与える場合は金魚だけではなく、栄養に偏りが出ないように数種類の餌を混ぜて与えたほうが良いです。人工飼料に餌付かせることもでき、キャットやコイの餌など、どんな餌にでも慣れやすい種類なのであまり苦労しません。人工飼料に餌付ければ栄養バランスも優れており、餌からの病気の持ち込みも防げます。餌付け方法はまずクリルに慣れさせる→そのクリルのにおいを付けたキャットかコイの餌を与えるという流れです。

混泳

基本的に温厚で、他の魚に危害を加えるような種類でなく、大きさを合わせれば基本大丈夫です。カイヤンに危害を加えないような種類であれば、サイズさえ合わせれば混泳可能です。アロワナや、レッドスネークヘッド、ロイヤルトーマンなどの大型スネークヘッド、ポリプテルスビチャー、ポリプテルスアンソルギーなどの大型のポリプテルス、レッドテールキャットなどの大型ナマズとであれば上手くいくことが多いです。ただ、動きが速く、餌をとるのが上手なので、他の魚がしっかりと餌を食べられてるかは確認した方がいいですね。また、スネークヘッドに関しては結構気が荒いので、カイヤンがいじめられていないかも確認した方がいいです。

基本データ
体長50-60cm(飼育下で60cm前後、自然界で最大90cm)
水温22-26°C(適温24-26°C)
pH6.5-7.5(弱酸性~中性)
酸性中性アルカリ性
寿命5-10年程度
原産地東南アジア(タイのチャオプラヤ川、メコン川流域)
分布地図
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